工房名
木の工房 樫
郵便番号
〒646-0005
住所
和歌山県田辺市秋津町1595-81
電話番号/FAX
代表者名
樫本 弘
営業時間
9:00~17:00
定休日
日曜、祝日
設立
1997年5月1日
木の工房 樫 代表
樫本 弘
木への想い
切り落としてコンテナに放り込もうとした端材にふと目が止まって、元の木の太さや大きさを推測することがあります。
1ミリもない間隔で並んだミズメザクラの木目は、もはや目で追えないくらい細かくて、消しゴムほどの木っ端なのに、僕が生きてきた以上の年月が閉じ込められているようです。
その次にノコを入れた箇所には虫穴があり、穴の周辺は侵入してくる細菌に対抗する為に自ら分泌した成分で変色して、そこだけに鮮やかなイエローの帯がありました。
そう言えば先日製材所で見た杉の丸太も、病気を治そうと盛んに細胞分裂をして大きなコブを作っていました。製材ノコで平面に切り分けられると、目を見張るようなうねりのある模様が現れ、触るとねっとりしていて強い香りを感じます。
木の種類によって色や形が違うだけでなく1本1本にも現れる個性。
成長の過程がいやでもわかる木目を持つ有機体だからこそ、人は親近感を覚え、愛着を持つのでしょう。
端材くんを到底ゼロには出来ないけれど、出来るだけ捨てる事なく、こんな小さな木っ端にも見てとれる木目の魅力を、多くの人に共感してもらえたらなぁと思いながら日々仕事をしています。
コンテナに放り込んだ割れの入った大きな節が、怒っているように見えますからね。「人間の都合で切ったくせに!」と。